どうも『はたらく×くらす』を木と鉄で育む建築屋 丸善工業3代目の長善規(@maruzen3rd)です。
先日中学生の前で公開講座をする機会がありました。
「アトツギの可能性」とテーマで、
自営業のアトツギとしてどう育ち、
どんな進路で悩み、どうやってアトツギという立場を腹落ちさせたのか。
そんなふうに自分の人生をまとめるとふとした疑問が沸きました。
「本当に自分は自分の意思で後を継いだのか?」って。
今日はアトツギとしてどう考えてきたのか?
どうしてこの事業をやっているのかについて考えをまとめてみようと思います。
アトツギとしてどう育ってきたのか?
わたしは幼少期から祖父や父が自営業として働く姿を遊びながら見てきました。
家の隣に工場があるので、鉄骨を加工している姿や搬送している様子を身近に見ることができました。
父とドライブに行くとどこにいっても
「この近くに⚪︎⚪︎って現場があってお父さんたちが建てたんだよ」
と教えてくれました。地元で働く父たちの姿はとても誇らしくありました。
家と工場が近くにあるのはいいことばかりではありませんけどね。
いつもお客さんや地元のひとがひょっこりとあらわれて
「お父さんいる?」「よしくんおおきくなったねぇ」「昔おじいちゃんにね、建ててもらったんだよ」
なんて世間話が始まります。
小さな頃は誰が誰だかわかりませんw
名前もわからない大人の人と当たり障りのない世間話をするのが得意になりましたね。
アトツギとしてどう選択肢を選んできたか
中学と高校では部活動でハンドボールに夢中になり、インターハイや国体にも出場することができました。
集団スポーツの楽しさと厳しさを学びました。
そしてわたしが進路を選ぶ時期がきたのは高校3年生のときでした。
選択肢として出てきたのは
「建築士・心理カウンセラー・保育士」
の三つ。
結局わたしは自営業でもある(有)丸善工業を継ぐために「建築士」を選びました。
でも(有)丸善工業は鉄工所。
鉄骨の建物を建てるのが仕事です。
大学で建築学科を選びましたが鉄骨を専門に学ぶなんて思ってもいませんでした。
進学したのは長野県にある信州大学の建築コース。
その中でも「古民家の再生」が最高にワクワクしたんです。
鉄骨どころか古材ですw
でもそれでもいいじゃないかと突き進みました。
鉄工所に戻ってきてから・・・
就職してハウスメーカーや工務店で修行後、自営業である(有)丸善工業に戻りました。
戻った当初は100%鉄工所です。
わたしも初めは鉄骨を切ったり運んだりしてましたよ。
ただし父(社長)には内緒で、そう、水面下で木造事業発足の準備をしていました。
建築士事務所登録を行い、ホームページを立ち上げて、顧客をつかんでいました。
次第に鉄工所の仕事が甘くなってくると木造事業の仕事が波に乗ってきました。
初めは小さなリフォームからでしたが口コミ・紹介で、
店舗併用二世帯住宅や中古店舗住宅リノベーションなど
難易度高めな案件が連続して決まりました。
本当にありがたいことでした。
必死になって夢中になって期待に応えられるよう励みました。
おかげさまで今でも口コミ・紹介で年間2〜3棟ほど新築や大規模リノベの案件を任せていただいております。
オーダーメイド鉄骨ガレージが誕生!
(有)丸善工業は木造事業だけでなく鉄骨事業も盛り上げていかなければなりません。
そもそもが鉄工所なんですから。
そこで注目したのが「オーダーメイド鉄骨ガレージ」です。
今までも農業用倉庫や牛舎や豚舎やガレージを建てていたのですから、
もっと消費者にとってわかりやすく頼みやすい仕組みを組み立てる必要があると感じてました。
で名付けたのが
「個人向けオーダーメイド鉄骨ガレージ」を
「おれのガレージ」
と。
他にも「ビジガレ」「ガレージデッキ」「おらが倉庫」「ガレージドック」「わたしの小屋」
など商品化してホームページにアップしました。
SNSやHPで目に留まるようになると注文をいただけるようになりました。
これからも継続的に事例をまとめて更新するのでお楽しみに。
結局自分の意思で後を継いだのか?
結局自分の意思で自営業を継いだのかどうか?
自問自答してみました。
幼少期からの刷り込みで自分が後を継がなければいけないんじゃないかと思い込んでいた?
まわりから「3代目」とか「跡取り」とか言われてその気になっていた?
レールがひかれているならわざわざ外れる必要はないと思った?
・・・結局よくわかりませんでした。
刷り込まれていたのも事実。3代目とか言われ続けたのも事実。
だけれども単に鉄工所として後をつづために勉強してきたわけではなく、
自分がワクワクしたのは「古民家の再生」だった。
木造が大好きだし、省エネ設計が得意だから木造部門を立ち上げた。
鉄骨部門のテコ入れをして「ガレージ事業」を立ち上げた。
全ては自分の選択の結果です。
アトツギとしての自分、
木造事業を立ち上げた自分、
ガレージ部門を立ち上げた自分、
ぜ〜〜〜〜んぶまとめて自分。
その当時の選択の連続で今の自分があるわけ。
そして今の選択でこれからの自分が生み出されるわけで。
悩んでいる時にどっちが正しいかなんて考えないで
どっちがワクワクするかで選択しようと思います。
さ、今の現場もこれからの現場も将来の現場も楽しんでまいりましょう!
ではでは。